と金堂

帰途

2023.08.26

已己巳己(いこみき)

2023.01.19


こんにちわ

こんにちは、はじめまして

きみはぼくににているね

そうですか

しっぽがながくてくるっくるまいているしね

そうですね

でもきみはにせものだね

はい、わたしはにせものでしたか

そうだよ、にせものはにせものさ

はい

だってわたしがほんもののたつのおとしごだもの

そうでしたか

諦観

2022.11.30


きこえなかった

風の音も、波の音も

その静けさの中

いつのまにか見上げるべき空を塞ぐ

強大な力の影がいた

いずれすべてを諦めねばならない我々が

何を捨て、何を残していくのか

次に向かう境地があるのならば

それを探るための猶予を与えるかのように

じっと

じっと

ウェブサイトを公開しました

2022.02.01

よろしくお願い申し上げます。

妖狐

2022.01.31

夢の仔

2022.01.31

神の手

2022.01.31


空からゆるやかに降りてくる白い手は

希望の象徴として降臨したかのように

とても優しげな表情を浮かべている

しかし何故だろう

どこか望まぬ場所へ連れ去られてしまいそうな

平穏な生活を徒に壊されてしまいそうな

不安を超え畏れの雰囲気をも醸し出している

強大すぎる力

それは一見救いを与えてくれるようにも見える

しかしその差し伸べられた手を安易にとることは

果たして本当に正解なのだろうか

もう一度考えよう

身の丈にあわない恵沢は

きっと自らを破滅の道に導いていく

鎮守

2022.01.31


黄昏にて

少し昔。

夕暮れ時、闇が子供を追いかけていた。

街に夕焼け小焼けのメロディが流れ、

夕刊配達のエンジン音が消えるころ、

遊んでいた童たちが、公園から一人、二人、三人、

五人と去っていく。

それらすべては闇への恐怖と紐づけされ、

幼少期の私に至っては、明日の黄昏にすら心が怯えた。

鎮守の森が夕陽を背負い、

深く深い色味のシルエットに変わるとき、

心の余白も闇色に染まっていった。

そして現代。

人々は、それらの闇と接する機会を失いつつある。

恐怖を感じることも心の余裕の一部だったのだろうか。

人々は持て余すほどの彩を抱えながら、

手放した余白を探し、日々を彷徨っている。

深更

2022.01.31

恐怖


それは地震、台風、火山の噴火などの天災


愚かな指導者により生み出される戦争や紛争


それらは視覚的に分かりやすいものとして

人間に襲い掛かる


しかし、悲劇や災難というものは


ことが起きたそのときが始まりではなく、


気付かぬうちに、実は静かに迫っているものだ


交通事故に巻き込まれる未来があるのならば


その車はいつどこで生産されているのだろうか


将来自身の指を切るナイフが、

今どこかで作られているのかもしれない


その瞬間がくるまで、

日常はせめて美しく穏やかであれと祈る

吃驚

2022.01.29


じゃれ合いにむかぬ程鋭さの増した爪と

悪辣な意思と殺傷能力を併せ持ち始めた尾

そしておそらく牙も…

少し前から山の友たちが離れていった

熊や狼、ウサギ、猪たち

特に仲の良かったタヌキとは悲しい別れだった

しかし彼らとは明らかに様子が違う身体の変化は

ときに自らも声を上げて驚くほど

確かに最近感じ始めていた

自らの不穏な運命と

その行く末に対し、何故か抑えきれぬ高揚感を

のちに朝廷を苦しめていく妖怪、鵺(ヌエ)

まだ子供だが

すでに異端を超え強悪な力を手に入れている