帰途
2023.08.26

2023.08.26
2023.01.19
こんにちわ
こんにちは、はじめまして
きみはぼくににているね
そうですか
しっぽがながくてくるっくるまいているしね
そうですね
でもきみはにせものだね
はい、わたしはにせものでしたか
そうだよ、にせものはにせものさ
はい
だってわたしがほんもののたつのおとしごだもの
そうでしたか
2022.11.30
きこえなかった
風の音も、波の音も
その静けさの中
いつのまにか見上げるべき空を塞ぐ
強大な力の影がいた
いずれすべてを諦めねばならない我々が
何を捨て、何を残していくのか
次に向かう境地があるのならば
それを探るための猶予を与えるかのように
じっと
じっと
2022.08.22
140 × 110cm
神獣は
時に猛々しく
時に神々しく
罪深い我々を庇い続ける
だからこそ怒らせてはならない
崇め続けねばならない
視点を変えれば
黒い闇を人類に降り注がぬよう
彼らはあえて
直に触れることのできぬ境界の外側
遥か遥か彼方にいるのだ
2022.07.28
2022.06.08
動物たちは同じ地球に住みながらも、
人間とは生息する世界が微妙にずれている。
そのずれが悪戯に矯正されたとき、
野生の存在は脅威となり、
時に不幸な出会いを生む。
そのため動物の中には、
狸、狐、猫、犬、猿、獺など、
存在が擬人化され、
妖怪に分類されることもしばしばあるのだが、
それは人間らしい、なんともおこがましい考えだ。
彼らからすれば、
こちら人間こそが妖怪のたぐいなのではないか。
地球上の生命すべてが、
それぞれ主人公の物語を生きているのだから、
それを破壊していく我々こそが、
質の悪い、邪悪で愚かな生き物である。
天網恢恢疎にして漏らさず
そのすべてを見透かすような眼差しで、
彼らはじっとこちらを見ている。
2022.06.08
黙っていられないほどのもどかしさ
批判や怒り
ときに思いやりや老婆心でさえ
自身を安心させるための、
便利な感情なのではないか
だからこそ
鬼のような強い心で沈黙を貫き
ひたすら動静を見守ることも必要だ
その心は祈りとなり、よどんだ雲を追い払った
そしてその青空が
豊穣など、疾うに諦められていた枯れ古木に
色彩豊かな美味しい果実を実らせた
2022.01.31
2022.01.31
2022.01.31
空からゆるやかに降りてくる白い手は
希望の象徴として降臨したかのように
とても優しげな表情を浮かべている
しかし何故だろう
どこか望まぬ場所へ連れ去られてしまいそうな
平穏な生活を徒に壊されてしまいそうな
不安を超え畏れの雰囲気をも醸し出している
強大すぎる力
それは一見救いを与えてくれるようにも見える
しかしその差し伸べられた手を安易にとることは
果たして本当に正解なのだろうか
もう一度考えよう
身の丈にあわない恵沢は
きっと自らを破滅の道に導いていく